西大和山の会   2017年度山行報告


 
大峰奥駈 part VI(最終回) 
21世紀の森公園〜古屋宿〜如意珠岳玉置山
大森山〜
五大尊岳〜大黒岳〜吹越山〜本宮大社
 2017年5月27日(土)〜28日(日) 自主山行・参加7名
 20143月の霧氷の素晴らしい大天井ヶ岳山行をきっかけに始まった大峰奥駈。4年越し6回目の今回、最もアップダウンが多く厳しいと言われ、地味に距離のなが〜い南奥駈道でしたが無事に備崎に到着、熊野川の河原に降り立ちました。水量が多く、クライマックスの熊野川渡りは出来ませんでしたが、熊野本宮に到達して大峰奥駈道踏破となりました。(M.Ima)
《コースタイム》 21世紀の森公園登山口(10:56)〜奥駈道出合(11:28/32)〜古屋宿(11:36)〜如意珠岳(11:48/12:00)〜蜘蛛ノ口(12:12/14)〜〔この間昼食〕〜花折塚(13:54/14:14)〜玉置山展望台(14:35/43)〜世界遺産記念碑(14:51/55)〜玉置山(15:11/26)〜玉置神社駐車場(15:35/45)〜玉置山展望台(16:04)〔幕営〕 ■天候:快晴のち一時薄曇り ◆歩行距離(沿面)9.5km、登り標高累計974m、下り標高累計530m、最高地点1,076.8m(玉置山)

前回(昨秋)の終点、21世紀の森から出発。
すぐ横の古屋宿水場も確認
 



 立派な標石のあるところで林道と別れ、急登が始まる

奥駈道出合。第12番靡の古屋宿はかつて大いに栄えたというが、明治22年の十津川大水害で古屋山ごと流され、その面影はない。 



11番靡の如意(宝)珠岳。かつては「険阻ニシテ登ルコト不能」の鋭鋒だったと伝えるが、大水害で崩壊、いまは平凡な小ピーク。

あちらこちらにギンリョウソウ(銀竜草)



 



花折塚前にて。南朝の忠臣、片岡八郎が討死した場所と伝えられる。片岡八郎は今の王寺町出身で、達磨寺にその墓がある

玉置山一帯は石楠花が群生する。餓坂(かつえざか)の登り口には、珍しい白の石楠花


 


美しいブナ林の中を登って、第10番靡:玉置山の山頂へ向かう

玉置山頂は石楠花の海。花の盛りは過ぎておびただしい数の花房が落下している

 
 


白、濃淡の異なる桃色の落花がグラデーションの絨毯となって広がっている

テント場(玉置山展望台)より、果無山脈に沈む夕日


 


夕食前の乾杯。最高のひととき
   
《コースタイム》 玉置神社駐車場(6:43)〜玉置神社(7:00/15)〜本宮辻(7:36)〜大平田山分岐(8:40)〜大森山(9:04/16)〜大水ノ森〔大森山三角点〕(9:23/25)〜切畑辻(10:02/13)〜五大尊岳(11:08)〜〔この間昼食〕〜金剛多和(12:32/37)〜水場(12:43/49)〜大黒岳(13:08/12)〜山在峠(14:15)〜吹越山(14:29)〜吹越宿(14:36/48)〜吹越峠(15:21/30)〜七越峰公園(15:51/56)〜備ア(16:44/17:02)〜熊野本宮大社駐車場(17:42) ■天候:快晴のち薄曇り
◆歩行距離(沿面)
20.2km、登り標高累計1,384m、下り標高累計2,311m、最高地点1,078m(大森山)
 

日が昇り、雲海が少しずつ晴れてゆく。今日も快晴のようだ

 



 最初に玉置神社に参拝。奥駈道は玉置神社境内を通って南に向かう

大森山への登りが始まる。第9番靡、水呑宿は現在の奥駈道からは外れているため。通過しない。かつては清水に恵まれていたという。


 


大森山山頂付近から篠尾谷を望む。かつての奥駈道は大森山の稜線を通らず南側を捲いていた。現在、旧道は崩落が激しく通行止め。

大森山の三角点は、大森山よりわずかに標高の低い大水ノ森におかれている



 


五大尊岳への登りが始まる。標高は1,000mに満たないが、前後のアップダウンは岩場も多く、その厳しさは奥駈道中でも群を抜く

五大明王を祀る第7番靡、五大尊岳。北峰には不動明王像が鎮座する。ここより南峰までの険しい痩せ尾根は「蟻の戸渡り」と呼ばれる





 五大尊岳本峰(南峰)からの下りは急峻を極める。加えて、ウバメガシの落葉がスリップを誘発するため、気が抜けない

奥駈道の要所、第6番靡の金剛多和。六道ノ辻とも呼ばれる。これは、人間が生前の所業により6つの冥界に送られるその入口を意味する


 


5番靡、大黒(天神)岳。逆峰(北から南へ奥駈を行うこと)の場合、最後の大きな山岳となる。ここからの下りも急坂で手強い道のり

大黒天神岳から山在峠までの間、西側が開けて熊野川の蛇行が眺められると、いよいよ本宮が近づいてきたことを実感するが、実はまだまだ先は長い

 


4靡の吹越山を過ぎると、吹越宿で林道を横切る。もう登りはないはずが、ふたたび尾根を登る道を前に、気が重くなるひととき。

吹越峠から七越峰への尾根筋より、最終目的地の大斎原の鳥居を望む。あと少しと見えて、これからまだ南へぐるりと迂回する。

 


備崎到着。本来はここから熊野川を渡渉し、大斎原(本宮大社旧社地)でゴール。今回は水量が結構あるため備ア橋経由となった。
   
GPS記録によるルート軌跡図
 
   
記録:M.Ima. / GPS記録&撮影:S.Kam.
画像キャプション&地図作成:T.Fuj.
 
 
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