西大和山の会  2017年度山行報告


県連初級登山学校実技山行 
 テーマ:テント泊・ルートファインディング 
台高山脈 高見山大峠 & 北尾根
2017年11月17日(金)夜発〜18日(土) 
 参加者計9名(西大和 5・奈良労山 1・奈良HC 2・こぶし 1)
  
◆今回の目的はルートファインディング。前夜泊で出発した為、テント泊の実技も兼ねる。ガソリンストーブ着火の練習も出来、おかげで11月の雨の中のテント泊でも暖かく楽しむことが出来た。翌日ほぼ昼から出発したルートファインディングは地図読みの比重も多く、確認を繰り返しの短い距離にトラップも仕込まれており、「失敗を多く経験して覚えていく」という大切さを実技で学ぶことが出来た。
◆スケジュール:
11/17() 榛原駅集合(23:40)
11/18()=東吉野村滝野(幕営予定地へ入る道が土砂崩れで通れず、幕営地を変更)
高見山大峠(
01:00)//
○テント設営・夜食(翌日昼過ぎまで雨予想のため、起床予定時刻を遅らせ03:30頃就寝)//
○起床(09:30)・朝食・テント撤収・滝野集落へ向けて出発(12:25)// 滝野集落到着(12:56)//
○ルートファインディング
(13:22/15:20)

 

テント設営後、まずは暖房としてガソリンストーブに点火。ロウソクは、照明以外に、酸欠の指標として使用。

テント内はすぐにぽかぽかになり、もう暑いくらい。乾杯の冷えたビールが美味しい!現在午前2時前。

大峠の高見山登山口横に設営した二張りのテント。みなさんまだ就寝中。雨は少し小降りとなってきました。

朝食は、具だくさんのラーメン。縦走3日目の朝食を想定した材料で作っています。

11時ごろには、雨はほぼ止んで、なんとか午後からルートファインディングに行けそう。テント撤収。

急遽決定した幕営地でしたが、トイレもあり、雨天のためか他に誰も来ず、貸切で快適な一晩でした。。

雨の後の斜面登下降は避けて、林道筋からの地図読みを復習。同じルートを2班に分かれて進みます。

幕営予定地だったC地点。ここからが本番。全員でこの先2つの尾根を同定する課題に挑戦。

紛らわしい登山道や林道のトラップに皆さん困惑気味ですが・・・この期に及んでは地形だけが頼り!


 今回のルート・コースタイムと解説
 《コースタイム》
A
地点〔滝野集落・県道28&31号交差点〕(12:56/13:22)B地点(13:41)C地点〔小ピーク662地点の南方・道沿いの広場:前夜の幕営予定地〕(13:50/54)D地点〔引返し地点〕(14:26)A地点(15:20)
 10月の台風で山中がかなり荒れていることに加え、前夜からの雨で足場も悪いため、林道筋からのルートファインディング(といっても、地図読みの比重が大きい)に変更した。
 ミッションは、尾根を特定すること。一見簡単そうに思えるが、実はトラップが潜んでいる。地図の表記では、差杉峠へ向かう登山道がY地点から分岐しているように見えるが、実はこの登山道は地図上に表記されておらず、X地点から東へ向かう沢沿いに伸びている。一方、Y地点から分岐する点線部分には林道が建設されている。ただ道の表記だけを辿っていては、このトラップに簡単にはまってしまう。地形図はあくまで地形を表す地図であることを肝に銘じて、等高線を読み解く技術を経験(実際に「道に迷うこと」が最も効果的な経験である)によって養う他にステップアップの方法はない。
 

 Y地点からX地点に向かう途中で、林道は川の右岸から左岸へ渡る(写真奥が北東方向)。「渡る」と言っても、橋はなく、上の写真のように、川が直接林道の上を横切っている。右側の盛り上がりは、尾根nの先端。写真には写っていないが、左側には北西に向かう谷が派生している。現在地を正しく把握するには、川の本流と支流を単に位置関係だけではなく、コンパスを使ってその方向を正確に判断し、それぞれを特定していく必要がある。
  
 
 Y地点、写真奥が南東方向。左から右へ流れるのが本谷。写真の中央に南東方向から合流する枝谷の水流が流れ出しており、この枝谷に沿って左側に林道が建設されている。今回は雨の後ということもあって、ほとんどすべての谷筋に水流が確認された。地形が複雑なところでも水流は見つけやすいため、谷筋の位置関係の有力な判断材料となる。もちろんその場合も谷の方向をコンパスで確認することを忘れてはならない。
 
記録・コメント:T.Fun. / 撮影:T.Fuj. & E.Sug.
キャプション・地図デザイン・解説:
T.Fuj. 
 
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