西大和山の会  2017年度山行報告


教育講座第4回実技山行 
 テーマ:ルートファインディング 
和歌山(有田川町)の山 兵ヶ城山(ひょうがじょうやま)701m
2017年12月10日(日) 曇り 
 参加者計6名
  
◆地図とコンパスを持ち現在地の確認をし、目的地へのルートを外さないように心掛けるが、道なき道の急登や倒木・枯れ枝に行く手を阻まれ、道迷いになった。それを乗り越えて目的地に着いたことは、自信になりスキルアップにつながると思う。
◆コースタイム:
善福寺(9:02)〜※黒石山(10:33)〜兵ヶ城山(12:44/13:05昼食)〜△688.5(13:47)〜《北野川谷川と四村川の間の尾根》〜下浦―油滝―善福寺(16:34)
 ※黒石山経由はA4名のみ
 

善福寺(標高約180m)から出発。まずは、地図で地形を確認しながら取り付き点を探します。

標高約430m地点で、尾根を直登する班と古道をトラヴァースする班に分かれます。

尾根班は急登の途中でルートをロスト。現在地特定のため、なんとか黒石山P.558に到達。
     

尾根班は約1時間の彷徨の末、道迷いから脱出、ようやくトラヴァース班と合流しました。

P.578と紛らわしい小ピークで、主稜線と支稜線の方向を確認し、現在地を推定。

P.578の手前、林道へのエスケープルートとの交差点に人工的な目印を設置します。
     

兵ヶ城山山頂への急登。まだ予定ルートの半分にも達していませんが、すでに正午を過ぎています。

兵ヶ城山山頂三角点。昨夜の雪が残っています。この少し東の小ピークで昼食としました。

西向の復路に入った後は、踏み跡のない広い尾根、藪と倒木、足場の悪い激下り・・・
     

疲れ果てた脚で、最後は尾根の突端を急降下。ようやく県道に降り立ちました。

途中、名勝「油滝」を右奥に眺めながら、最初の駐車地点まで戻ります。

清水の温泉で冷えた体をほぐした後、湯浅の町へ出て、いまが旬の「しらす丼」で夕食。。
     
 今回のルートとトレース詳細
 
 山座同定画像と対応地点
 
《解説》特徴的な山が多いアルプス等の場合は別として、山座同定は決して易しい作業ではない。同じ高さの山であっても、距離が異なれば見た目の高さは別様になる。また、空との境目が稜線やピークとは限らない。手前に突き出た尾根などによって、奥にあるピークや稜線が見えなくなることは少なくない。例えば、上の写真で点Xは主稜線上のピークのように思われるかもしれないが、実際はP.581から南南東に派生する支稜線の出っ張りにすぎない。従って、山座同定を正しく行うには、コンパスによって正確に角度を測る必要があるが、机上ならいざ知らず、野外で地図を手に持った状態では1度単位の測定はまず不可能である。そこでやはり役に立つのが見て分かる地形である。おおよその角度が分かれば、あとは尾根と谷の数やそれぞれの関係を地形図と照合することで、同定の精度はほぼ完全なものに近づく。
 
記録・コメント:A.Nag. / GPS記録:K.Tsu. / 撮影:K.Tsu., E.Sug. & T.Fuj.
キャプション・地図デザイン・解説:
T.Fuj. 
 
2017年度山行報告一覧へ戻る
 
 HOMEへ戻る